「時間資本主義の到来」を読みました
- 2015/05/19
- 22:26
その本、下関に住む僕たちにも関係あんの? vol.16
「時間資本主義の到来」(松岡真宏氏)
「時間資本主義」という聞き慣れない言葉は、下関に住む私にはやっぱり関係がなさそうです。
ですが、下のような私の素朴な疑問を、この本は「時間」という視点ですっきりさせてくれました。
①たくさんの人がスマホを持つようになってきたのはなんで?
②人口が減り続けている下関でもコンビニが増えてるのはなんで?
③コインランドリーも増えてきた。
④雨の休日、大型商業施設のゆめシティ周辺に車の渋滞ができるのはどうして?
人は「時間」に対してお金を払っている、ということに気付かせてくれる刺激的な本です。
①たくさんの人がスマホを持つようになってきたのはなんで?
電車を待つ時間、多くの人がスマホの画面をながめています。
この光景は、下関でも東京でもまったく同じ。
なぜ、みんな待ち時間にスマホの画面を見ているのでしょうか。
スマホは、すき間時間にメールや原稿のゲラをチェックできます。
調べ物は1分でできます。
簡単な仕事ならスマホを使ってどこでもできるため、
今まではただの切れっぱしだった5分、10分というわずかな時間が、価値を帯びるようになりました。
こま切れ時間を有効に使えるようにしてくれたのが、スマホなのです。
②人口が減り続けている下関でもコンビニが増えてるのはなんで?
値段は高くても、そんなに急いでいないときでも、
スーパーではなく近くにあるコンビニで、買い物を済ませた経験はありませんか?
移動時間が短くて済むということもありますが、
商品が厳選されているコンビニでは、選ぶ時間を節約できます。
コンビニの商品を置くスペースは限られていて、
流行を反映させた商品だけが並べられている。
だから、少しくらい値段が高くても、コンビニはたくさんの人に求められているのでしょう。
③コインランドリーも増えてきた。
コインランドリーは、面倒くさい洗濯を、乾燥まで一気に済ませてくれます。
お金を払う代わりに、自由に使える時間を私たちに与えてくれているのが、コインランドリー。
時間に不自由な私たちに、自由な時間を与えるという、素晴らしいビジネスモデルなのです。
高性能な家庭用洗濯機が売られていますが、それでも
家事を代行してくれるコインランドリーには存在意義があります。
④雨の休日、大型商業施設のゆめシティ周辺に車の渋滞ができるのはどうして?
雨の休日には、大型商業施設のゆめシティにファミリーが押し寄せ、渋滞が生まれます。
天候にかかわらず、家以外の場所で家族と時間を過ごすことができる大型商業施設は、
もはや物を売るためだけの施設ではないのですね。
人は、心地良い時間は長くしたいと感じ、嫌なことはさっさと済ませたいと考える生き物。
そのためには、私たちは簡単にお金を払います。
この習性は、ニューヨーク市民であろうが下関市民であろうが、人類共通。
このことを理解した上で、身近にあるビジネスモデルを解剖してみると、
下関にだってビジネスの種が隠れているような気がしてきませんか。
こま切れ時間が価値を帯びるようになる一方、まとまった時間がなければ、
脳は良いアイデアを出すことができないと本書には書かれています。
比較的まとまった時間を確保しやすいフリーターや自営業のような方は、
「時間資本主義」で言うところの「勝ち組」に当たります。
全国的にも言えることですが、下関でもアルバイトや非正社員として働く人は多い。
時間資本主義的「勝ち組」の中から、クリエイティブな起業家が出てくるかもしれません。
それは、子育てが一段落した主婦であってもいいですよね。

鉄道も、早く目的地に着くことだけが価値観ではなくなってきています。
電車の中で過ごす時間に対して、お金を払ってもらうビジネスモデルも。
写真は、山陰本線と山陽本線の合流する稗田大橋付近。
「時間資本主義の到来」から、一部引用です。
「これら数分~10分というこま切れの時間は価値がほとんどなく、捨てられていた時間だった。」
「私たちは「大脳」だけでなく「電脳を疑似的に体内に埋め込まれたように行動できる」地球上の唯一無二の種に転換したのだ。」
「時間というものは正負両方の面を持っている。例えば、時間の短縮にお金を払う場合もあれば、そこにいる時間を確保するためにお金を払う場合もある。」
「この人たち(フリーター、アフィリエイター)は時間に追われることなくわりと楽しく暮らしており、そういう意味では彼ら彼女らもまた時間資本主義時代の勝ち組なのである。」
「脳神経科学の研究では脳は何もしていないときにこそ活性化するという結果が紹介されている。」

次回の定例の読書会は、6月14日(日)です。
※原則は、毎月第一日曜日開催ですが、今回は第二日曜日ですのでご注意ください。
「時間資本主義の到来」(松岡真宏氏)
「時間資本主義」という聞き慣れない言葉は、下関に住む私にはやっぱり関係がなさそうです。
ですが、下のような私の素朴な疑問を、この本は「時間」という視点ですっきりさせてくれました。
①たくさんの人がスマホを持つようになってきたのはなんで?
②人口が減り続けている下関でもコンビニが増えてるのはなんで?
③コインランドリーも増えてきた。
④雨の休日、大型商業施設のゆめシティ周辺に車の渋滞ができるのはどうして?
人は「時間」に対してお金を払っている、ということに気付かせてくれる刺激的な本です。
①たくさんの人がスマホを持つようになってきたのはなんで?
電車を待つ時間、多くの人がスマホの画面をながめています。
この光景は、下関でも東京でもまったく同じ。
なぜ、みんな待ち時間にスマホの画面を見ているのでしょうか。
スマホは、すき間時間にメールや原稿のゲラをチェックできます。
調べ物は1分でできます。
簡単な仕事ならスマホを使ってどこでもできるため、
今まではただの切れっぱしだった5分、10分というわずかな時間が、価値を帯びるようになりました。
こま切れ時間を有効に使えるようにしてくれたのが、スマホなのです。
②人口が減り続けている下関でもコンビニが増えてるのはなんで?
値段は高くても、そんなに急いでいないときでも、
スーパーではなく近くにあるコンビニで、買い物を済ませた経験はありませんか?
移動時間が短くて済むということもありますが、
商品が厳選されているコンビニでは、選ぶ時間を節約できます。
コンビニの商品を置くスペースは限られていて、
流行を反映させた商品だけが並べられている。
だから、少しくらい値段が高くても、コンビニはたくさんの人に求められているのでしょう。
③コインランドリーも増えてきた。
コインランドリーは、面倒くさい洗濯を、乾燥まで一気に済ませてくれます。
お金を払う代わりに、自由に使える時間を私たちに与えてくれているのが、コインランドリー。
時間に不自由な私たちに、自由な時間を与えるという、素晴らしいビジネスモデルなのです。
高性能な家庭用洗濯機が売られていますが、それでも
家事を代行してくれるコインランドリーには存在意義があります。
④雨の休日、大型商業施設のゆめシティ周辺に車の渋滞ができるのはどうして?
雨の休日には、大型商業施設のゆめシティにファミリーが押し寄せ、渋滞が生まれます。
天候にかかわらず、家以外の場所で家族と時間を過ごすことができる大型商業施設は、
もはや物を売るためだけの施設ではないのですね。
人は、心地良い時間は長くしたいと感じ、嫌なことはさっさと済ませたいと考える生き物。
そのためには、私たちは簡単にお金を払います。
この習性は、ニューヨーク市民であろうが下関市民であろうが、人類共通。
このことを理解した上で、身近にあるビジネスモデルを解剖してみると、
下関にだってビジネスの種が隠れているような気がしてきませんか。
こま切れ時間が価値を帯びるようになる一方、まとまった時間がなければ、
脳は良いアイデアを出すことができないと本書には書かれています。
比較的まとまった時間を確保しやすいフリーターや自営業のような方は、
「時間資本主義」で言うところの「勝ち組」に当たります。
全国的にも言えることですが、下関でもアルバイトや非正社員として働く人は多い。
時間資本主義的「勝ち組」の中から、クリエイティブな起業家が出てくるかもしれません。
それは、子育てが一段落した主婦であってもいいですよね。

鉄道も、早く目的地に着くことだけが価値観ではなくなってきています。
電車の中で過ごす時間に対して、お金を払ってもらうビジネスモデルも。
写真は、山陰本線と山陽本線の合流する稗田大橋付近。
「時間資本主義の到来」から、一部引用です。
「これら数分~10分というこま切れの時間は価値がほとんどなく、捨てられていた時間だった。」
「私たちは「大脳」だけでなく「電脳を疑似的に体内に埋め込まれたように行動できる」地球上の唯一無二の種に転換したのだ。」
「時間というものは正負両方の面を持っている。例えば、時間の短縮にお金を払う場合もあれば、そこにいる時間を確保するためにお金を払う場合もある。」
「この人たち(フリーター、アフィリエイター)は時間に追われることなくわりと楽しく暮らしており、そういう意味では彼ら彼女らもまた時間資本主義時代の勝ち組なのである。」
「脳神経科学の研究では脳は何もしていないときにこそ活性化するという結果が紹介されている。」

次回の定例の読書会は、6月14日(日)です。
※原則は、毎月第一日曜日開催ですが、今回は第二日曜日ですのでご注意ください。
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